それは確か…12月ではなく1月か2月だった様に覚えている。1984年の(記憶違いで12月だったなら1983年だ)。 親が小遣いを呉れないので中学生の頃新聞配達をしていた。レコード買いたかったし楽器は自分で手に入れたかったしね。早朝、雪まみれになって帰ってきた俺は居間のテレビでなんともワンダーな光景を目にした。
イギリスのロックミュージシャン達がアフリカ救済のために立ち上がったのだ。発売される12インチ(懐かしいだろ)のシングル曲がチャリティーにあてられる。
その曲が、「Do they know it's Christmas?」
リーンゴーンてな鐘の音のあと最初に唄い始めるのが当時人気絶頂期であった白人soul singerのポール・ヤング。次がボーイ・ジョージ。ワム!のジョージ・マイケルに続くはサイモン・ル・ボン。高音のコーラスをかぶせるスティング。そしてソロパートを熱く締めるU2のボノ!
どう?この華麗なリレー。14歳の俺は歓喜した。(ドラムはフィル・コリンズ、数十人の大合唱隊の中に目立つはバナナラマ、シングルジャケ写真にポール・ウェラーやスパンダー・バレエ達も居るぞ)試み、メンバーも素晴らしいがなにより楽曲がサイコーなのだ。シンプルで温かく、恩着せがましくない。でも少しシニカル。 これぞ80年代の英国。 数ヶ月後にアメリカが「We are the World」を発表する。米国的ジャスティスに溢れた壮大なやり方でこれまたメンツもスゴいが、その曲たるや、Do they〜の足元にも及ばない。
この時期、ラジオからChristmas songがやたら流れる。ユーミンの恋人がサンタは名曲だし佐野元春の Christmas time in Blue はとてもクールだ。ジョン・レノンのハッピィクリスマスは世界一だ
でも、俺の中のChristmas songはバンドエイドの Do they know it's Christmas なのだ。
12月25日、多分俺もクリスマスは知らずに過ごすかも…苦笑